『盤上の夜』を読んだ
宮内悠介さんの短編集『盤上の夜』を読み進める。本当に、こういう書き方ができるのはすごい。人は本当にすごいと凡庸な感想しか出てこない。『象を飛ばした王子』は泣きそうになりながら読んだ。これはミュージカルにしたら映えるんじゃないか。
— NoahP(のあP)☃ (@powerofgamesorg) May 16, 2014
例えば表題作「盤上の夜」では、マスクされた情報が段階的に読者の前に提示されるような構造になっている。その様子はさながら銀剥がしの銀をめくっていくような、期待感がある。
ただ、そういったエンターテイメント性のある書き方をしているからこの作品が至高となっているのではなく、むしろ本作の凄みはこれが正統派であることにあるんじゃないのか、的な感じは、一周まわって、受けている。小説としてここまで洗練された文章を書けることに、文字の可能性を改めて感じる一作。