のあろぐ

「もぐらゲームス」・「Mogura VR」を立ち上げて運営している、のあPことNoahの個人ブログ。

角川とドワンゴが合併した時に書いた記事を再度upしておく


この記事は2014年5月に角川とドワンゴが統合した時に書いた記事を改めてあげたものです。

当時からいじってませんが、その当時は大変叩かれそうな気配があったので怖くて消しました。下が跡地です。跡地 - のあろぐ

ほとぼりも冷めてあれから1年半も経つので、改めてupしておきます。今後の展開で答え合わせしてみるのも面白いかもしれません。

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※注意※
今から適当を言います。ここからの話は全部妄言です。
実際下調べも何もしていませんし、裏も取っていません。
ここは個人ブログです。
この記事の真の狙いは KADOKAWA という文字のゲシュタルト崩壊です。

KADOKAWA とドワンゴが統合

5月14日未明、衝撃的なニュースが飛び込んできた。
日経新聞の記事である。

角川・ドワンゴ経営統合 アニメなど「ニコ動」で海外へ :日本経済新聞
とはいえ、このリークはタイミング的には、会社からの意図的なリークであろう。その日の発表で早速上記の統合が発表された形だ。

ドワンゴとKADOKAWA、経営統合を発表 新会社「KADOKAWA・DWANGO」10月設立(1/2ページ) | ニコニコニュース

本件、すでに堀江貴文さんが以下のエントリを書いておられる。

もともと両社は株式持ち合いしてたし、共同事業っぽいこともやっていたし、そうなるのは必然だったのかもしれない。丁度私が収監される前くらいに角川の社長とか紹介してくれるとか川上さんが言ってたり、ニコニコミュージカルで角川から出ている源氏物語を上演するとか、なんか多分その辺から仲良くなったんじゃないかな。

ニコニコ動画はまあCGMなわけなんだけど、それをマネタイズするのはKADOKAWAグループはノウハウがあって得意なわけ。角川書店だけではなくてアスキーの出版部門も引き継いでいて、最近統合されたけど、アスキー・メディアワークスって会社だった部分も吸収してて、CGM由来のコンテンツはアスキー系のメディアがマネタイズしているのである。初音ミクとかのマネタイズも結構手がけてたりとかするのね。

コンテンツクリエイターが食っていける、その中からスターが生まれるって仕組みはニコニコ動画のようなプラットフォーム運営者にとってみれば必須の条件であり、それを共同でやっていくということなんだろうな。

KADOKAWAとドワンゴが経営統合。まあ想定内。 | ホリエモンドットコム


「泉」と「桶」の結婚

堀江さんも言っておられるように、 KADOKAWA は悪く言えばいわゆるゴロ的なマネタイズがうまく、1つのコンテンツを小説から映画から、グッズからと展開していくのがうまい。
このあたりの、言ってしまえば「著作権を囲い込む」ことの実力については「艦これ」のグッズ展開の物量、コンビニ等との提携力、スピードなどでもう読者諸兄は体験済みだろう。

しかし流石の KADOKAWA と言えど、モノがないことには始まらない。あるにはあるけど、もっともっと欲しい。言ってみれば、「強いコンテンツがこんこんと湧き出てくる泉みたいなものがほしい」というのが KADOKAWA の立場だ。それさえあれば、 KADOKAWA の展開力で、いくらでもどうにでもなる。

その「泉」こそがニコニコ動画を擁するドワンゴだ。ドワンゴからしてみれば、コンテンツがこんこんと湧き出る「泉」は持ってるけど、それを運ぶのに良い「桶」がない。手で汲めばいいんじゃないかと言うけど、手では効率が悪い。だから桶が欲しい。でも、桶を作るのにはお金がかかるし、大変だ。

だから、「桶」の役割を担うのが KADOKAWA だ。これで、ニコニコ動画で湧き出てくるコンテンツを、 KADOKAWA が汲み取って小説・アニメ・映画・グッズ…と展開していける。

それも、国内だけではない。海外もだ。海外に展開すると一口で言うけど、本気でやろうとするととにかく金がかかるし、リスクもでかい。外貨の上下変動リスクなんかもある。著作権のノウハウなんかも要る。この辺も、「桶」である KADOKAWA が解決できる。

というわけで、KADOKAWA ・ドワンゴ統合は起こるべくして起きた。


本当に、ここまで祝福されるべき合併もめずらしいのではないか。そして総帥に川上氏である。

※ちなみにコンテンツの湧く泉という認識は、社会のなかにあるかもしれないのだが、あくまでそのコンテンツの制作者はクリエイターさんである。この泉は、公共財ではないことには注意しておきたい。個人的にはコンテンツの湧く泉という表現は誤解を招くので使いたくないが、ちょっとした皮肉、というか警鐘の意味で使っている。この話はこのエントリで後述する。

事前に起きていた動き

なんか仰々しい見出しになったが、そこまで引っ張る気もない。すでにフラグは立っていたのではないかという話だ。

KADOKAWA による、フロム・ソフトウェアの買収。
「株式会社フロム・ソフトウェア」株式取得(子会社化)のお知らせ - 株式会社 KADOKAWA

もう一つは株式会社リインフォースの設立だ。
株式会社リインフォースの設立について


株式会社リインフォースは、簡単に言うとドワンゴの持つニコニコ動画、KADOKAWA の持つ電撃・ファミ通、HUGが事前に買収していた4Gamer.net といった国内大手メディアが手を組んだ、というようなメディアを運営していく会社。
これが事前に立ち上がっているというあたりや、 KADOKAWA による事前のフロム・ソフトウェアの買収、そして本日の記者会見の内容からするに、どうも一旦は中核に据えるのは「ゲーム」なのだろう。しかも、実況文化とのシナジーを狙って、メディア展開でゴリ押ししていくという図が目に浮かぶ。なかなか賢い作戦であるといえる。なるほどなるほど。
海外展開は、この布陣で大丈夫なのか…?もう一社ぐらい、ここに加わりそうな感がある。

テストマーケティングはもう既に始まっていた

さて、ここまでなんか当たり前じゃんみたいなことをつらつらと語ってきたが、ここで一つ不安になるのが、「本当にフリゲ周りで僕らの想定しているような面白いことが起こるのだろうか?」ということである。
ここで一つ、記憶を呼び覚まして欲しい。といっても、ついこの間のことだ。
フリーゲーム「青鬼」が7月にAKB48 の入山杏奈主演で実写化する。そんなニュースがあったのを覚えているだろうか?

在校生が映画「青鬼」に多数参加!|アミューズメントメディア総合学院 - 東京校

下記Wikipediaを見る限り、配給会社のAMGエンタテイメント(アミューズメントメディア総合学院)はKADOKAWA グループとある(資本関係などがあるとは、他にどこにも書いてないのだが…)。少なくともアミューズメントメディア総合学院は2008年あたりに、角川グループと業務提携を行っている。まあここまで来ると、ぼくのイチャモン的なやつまた始まったか感あるし、全然関係ないのかもしれないけど、ぼくはこれは KADOKAWA のテストマーケティングなんじゃないのかと勘ぐってしまう。

Category:KADOKAWAグループ - Wikipedia

映画産業も全体としてフリゲやろうよ、という雰囲気であるということなのかもしれないが、いずれにせよ、こうした映画化なども今後積極的に推進していく、ということであろう。
うーん、まあ個人的には映画化が嬉しいか、といわれると正直「?」マークが付いてしまうところではあるが…

最後になったけど、問題提起

 

まとめると、僕の勝手な妄想での予想だが、 KADOKAWA とドワンゴの合併で起こることというのは、もちろんゲームに限らない。というか、コンテンツ全体の問題だ。
ただ、ゲームが一つの核になることは間違いない。そこで起きるのは、フリーゲームを含めて著作権を自由にできそうなゲームコンテンツが、映画化・小説化・グッズ化されていく流れではないだろうか。
もっと言うけど、ぶっちゃけ有名実況者にお金を払って狙ったフリーゲームを実況してもらい、人為的なブームを作り出すことも、おそらく今のニコニコであれば可能
そうだとすれば、完全に勝利の方程式ができるのだ。
1.ニコニコでフリゲを有名実況者に実況してもらって知名度を高める

2.あのゲームがついに小説化!コミック化!

3.あのゲームがついに映画化!アニメ化!主題歌はあの有名なボカロP!

4.あのゲームがついに続編登場!

以下、無限ループ

この流れを作るのに必要なのは、ニコニコ動画そのものと、出版・映像化などのノウハウ。先ほどでいうと、泉と桶ですね。

問いたいのが、「それってどう?嬉しい?どのへんからどのへんまでが嬉しくてどのへんからがだめ?」ということだ。
正直僕が一番気になっているのが、「フリーゲームは著作者が個人で小さいので、殆ど文句は言われまい」的な雰囲気があるのではないか、ということだ。いや、個人の妄想であることは否定できないけど。

つまりね、この流れができたとして、フリーゲームの作者にはちゃんと生活できるだけのお金が入るんでしょうね?ってことなんですよね。
例えばフリゲを展開して、会社は億単位儲かって、制作者に数百万円とかしか入らなかったら、なんかやりきれませんよね
「クリエーターが食っていけることを目指している」と常々言っておられるドワンゴさんなので、そこら辺はちゃんと考えているとは思うのですが…

もちろん数十億儲かったら、クリエイターさんは世界に認められて、何もしなくても暮らせるぐらい、沢山お金がもらえるんですよね?漫画の単行本の印税は5~10%ぐらいあるの、分かってますよね?富樫先生が遊んで暮らせるのと同じですよね?いや、制作物そのものが売れるのと映画とかが売れるのは違うけどさ。

ぼくとしては、映画化・小説化・アニメ化して大衆ウケを目指そうが、別にそこに嫌悪感は全くないのです。クリエイターにちゃんと還元される社会ができるといいなあ。